コツ① 姿勢:頭からかかとまで「一本の棒」
速く走るための土台は姿勢です。横から見たときに、頭・肩・腰・かかとが一直線になっているのが理想。そのまま、少しだけ前に体重を乗せます。
多くの子は、頑張ろうとするほどあごが上がって上半身が後ろに反ったり、逆に下を向いて腰が曲がったりします。どちらも、足で作った力が前に伝わらなくなる原因です。
- 目線:20〜30m先の地面を見る。ゴールテープを見上げない。
- あご:軽く引く。「首の後ろを長くする」イメージ。
- おなか:軽く力を入れて、腰が反らないように。
声かけのヒント
「背筋を伸ばして」より「頭のてっぺんを糸で引っぱられてる感じ」のほうが、子どもには伝わります。壁押しドリル(自宅でできる練習④)で、この姿勢を体で覚えられます。
コツ② 腕振り:前に出すのではなく「後ろに引く」
腕振りは、足の動きを引き出す「エンジン」です。腕が速く大きく動けば、足も自然に速く動きます。ポイントはひじを後ろに引くこと。前に振ろうとすると肩に力が入り、腕が体の前で横に流れてしまいます。
- ひじの角度:90度くらい。固めすぎず、後ろに引いたときに少し開いてもOK。
- 手:卵を持つくらいの力で軽く握る。ギュッと握ると肩まで力が入ります。
- 振る方向:前後にまっすぐ。手が体の中心線(おへその前)を越えないように。
- 肩:すくめない。走る前に肩を2〜3回回して、力を抜いておく。
腕振りは鏡の前で毎日30秒練習するだけで、驚くほど変わります。手順は自宅でできる練習①をご覧ください。
コツ③ 接地:体の「真下」で地面を押す
3つ目は、足を地面に着く位置です。速い子は、足を体の真下に着いて、地面を後ろへ押しています。一方、歩幅を広げようとして足を体の前に出しすぎると、着地のたびにブレーキがかかります。
- 着く位置:腰の真下。「前に出す」のではなく「真下にトン」。
- 着く部分:かかとからではなく、つま先〜母指球(親指の付け根)のあたりで。
- 音:「ドン、ドン」と重い音は、足裏全体でベタッと着いているサイン。「タッ、タッ」と短い音を目指す。
- ひざ:ももを上げたら、ひざから下を振り出さず、真下に下ろす。
歩幅は「結果」
正しい位置で地面を押せるようになると、歩幅は自然に広がります。「大またで走ろう」と意識させるより、「真下にトン」を覚えるほうが近道です。スキップやケンケン(自宅でできる練習③⑤)で、この感覚を育てられます。
よくあるフォームの崩れと直し方
上半身が後ろに反っている
原因:頑張ってあごが上がる/おなかに力が入っていない。
直し方:目線を20〜30m先の地面へ。走る前にプランク(体幹トレーニング)で、おなかに力を入れる感覚を思い出す。
腕が横に振れている
原因:腕を前に出そうとしている/肩に力が入っている。
直し方:鏡の前で「ひじを後ろに引く」腕振りを毎日30秒。走る前に肩回し。
足音が重い・ペタペタ走り
原因:足裏全体で着地している/足が体の前に出すぎている。
直し方:アンクルホップ(足首だけで小さくジャンプ)や縄跳びで、つま先で「ポン」とはじく感覚を身につける。
後半で失速する
原因:体幹が疲れて姿勢が崩れる/力みすぎ。
直し方:体幹トレーニングを習慣にする。「スタートで10割、後半は8割の力で、形を崩さない」と声をかける。
家でできるフォームチェック
一番わかりやすいのは、スマートフォンで横から動画を撮ることです。公園などで20mほど走ってもらい、真横からスロー再生で見てみましょう。
- 姿勢:走っている途中の1コマで、頭・肩・腰・かかとが一直線か。
- 腕振り:ひじが体より後ろまで引けているか。手が体の前で交差していないか。
- 接地:足が着いた瞬間、足は腰の真下か。かかとから着いていないか。
3つのうち、いちばん崩れているものを1つだけ選んで、1〜2週間はそこだけに集中する。全部を一度に直そうとすると、かえって走りがぎこちなくなります。
安全のために
- フォーム練習でも、いきなり全力で走らず、ウォームアップ(走る前のストレッチ)を行ってください。
- 痛みがあるときは中止。特にかかと・ひざの痛みが続く場合は医療機関にご相談ください。
よくある質問
足の速さは遺伝で決まりますか?
生まれつきの要素もありますが、小学生のうちは「動き方」の影響がとても大きい時期です。姿勢・腕振り・接地を整えるだけでタイムが縮む子は多く、教室でも50m走を1年間で1.5秒縮めた例があります。
歩幅を大きくしたほうが速くなりますか?
無理に歩幅を広げると、足が体の前に出すぎてブレーキになります。まずは「体の真下で地面を押す」接地を身につけ、歩幅は自然に広がるのを待つほうが結果的に速くなります。
家で走り方をチェックする方法はありますか?
スマートフォンで横から動画を撮り、スロー再生で見るのが一番わかりやすい方法です。「頭からかかとが一直線か」「ひじが後ろに引けているか」「足が体の真下に着いているか」の3点を見てください。
まとめ
速く走るためのコツは、姿勢(一本の棒)・腕振り(後ろに引く)・接地(真下にトン)の3つ。難しいテクニックより、この基本が身についているかどうかで、小学生のタイムは大きく変わります。
動画を撮っても「どこを直せばいいかわからない」ときは、無料体験会でコーチが直接見てお伝えします。お気軽にお越しください。



